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◆ラボラトリーの技術
◇紫外−可視分光分析による特徴 加熱により色調が改善されると紫外−可視領域の分光スペクトルに変化が見られます。特にスリランカ産やマダガスカル産のギウダを加熱したブルー・サファイアの場合、スペクトルの黄色部の吸収が深くなり、紫外領域の透過性が良くなる傾向にあります(図-9)。
◇赤外分光(FTIR)分析による特徴 非加熱のスリランカ産、ミャンマー産およびマダガスカル産等の非玄武岩起源のブルー・サファイアは赤外領域に特徴的な吸収は示しません(図-10)。
これに対してタイやカンボジア産、オーストラリア産および中国産等の玄武岩起源のブルー・サファイアは3000〜3500cm-1付近にOHに起因する吸収が認められます(図-11)。
還元雰囲気で加熱された非玄武岩起源のブルー・サファイアには非加熱の状態にはなかったOHに起因する吸収が加熱後に出現します(図-12)。
逆にOHに起因する吸収がある玄武岩起源のブルー・サファイアを酸化雰囲気で加熱するとOHのピークは消失します。したがって、ブルー・サファイアの産地がある程度既知であれば、FTIRによる分析は加熱の履歴の鑑別に極めて有効です。 非加熱のMong Hsu産ルビーには、しばしば内包されるダイアスポアに起因する吸収が見られます。これらは加熱されることで脱水反応が生じ、しだいに消失し、1000℃以上の温度では構造的に結合したOHの吸収が出現するようになります。したがって、OHのピークが明瞭なMong Hsu産ルビーは加熱されていると判断できます(図-13)。
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