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また、大きなサイズのネガティブ・クリスタルを含むサファイア等は加熱によって破裂する危険性があり、通常は加熱前に取り除かれます。
酸化鉄などによるフラクチャーの汚染の褐色味はたいていの場合、加熱によって減少あるいは消失します(図-5)。同様に褐色の色帯も加熱によって通常はブルーに改善されます(図-6)。
GAAJラボで電気炉を用いて行った加熱実験の結果、カルサイトは800℃〜1000℃で見かけの変質が起こり、同様にアパタイトは1300℃〜1400℃、シルクは1200℃〜1300℃以上、ジルコンにおいては1400℃〜1600℃でダメージを受けることが確認されました(図-7)。
高い温度(1000℃以上?)で加熱されることによって液体インクルージョンはしばしば癒着し、加熱に使用されるボラックス等の触媒等がフラクチャーに残留物として見られることがあります(図-8)。このような残留物は、加熱されたミャンマーのMong Hsu産ルビーに頻度高く観察されます。
◇紫外線蛍光による特徴 ルビーは紫外線下において通常赤色の蛍光を発します。その蛍光強度はミャンマー産などの接触変成岩起源のものでは概して強く、タイやカンボジア産などの火成岩起源のものではやや弱くなります。加熱されると概して長波・短波とも蛍光強度が増す傾向にあります。また、一部のルビーは長波紫外線下でオレンジ味を帯びるようになり、短波紫外線下では濁りが強くなります。 ブルー・サファイアは紫外線下において不活性のものやオレンジ〜赤色の蛍光を発するものがあります。加熱されると長波紫外線下でオレンジ色を発していたものはより赤味を増す傾向にあります。また、一部のものは短波紫外線下では白濁するようになります。 |
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