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PL分析
  前述のIIb型ブラウン・ダイヤモンド同様に顕微ラマン装置を用いてPL分析を行った。励起用レーザーとして488nmArレーザー、633nmArレーザーを使用した。488nmレーザーによる分析では、処理後の両サンプルに496nmが消失するのが確認された(図-2)。633nmレーザーによる分析では、処理後にH2(986nm)のピークが出現した(図-3)

図-2:
Ia型ダイヤモンドのHPHT処理前後のラマンスペクトルの変化(1)

図-3:
Ia型ダイヤモンドのHPHT処理前後のラマンスペクトルの変化(2)

結論
  HPHT処理実験によりIIb型ダイヤモンドでは褐色味の除去、Ia型ダイヤモンドでは濃色化が認められた。外部特徴・内部特徴ではクリベージ部分の黒色化など処理後に特徴が認められるものもあるが、全てのダイヤモンドに見られる特徴ではないため、PL分析が天然もしくは処理の判別に最も有効な方法である。特に1480cm-1の吸収を示すIa型ダイヤモンドはNOVAダイヤモンドに代表されるような典型的なIa型ダイヤモンドと比較してHPHT処理についての判断が難しいため、PL分析の必要性は非常に高いといえる。
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