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Ia型ダイヤモンド
特殊なタイプの
Ia型イエロー・ダイヤモンド
  今回実験に用いたIa型イエロー・ダイヤモンドはFTIRにて1480cm-1に吸収が見られる特徴がある。1480cm-1の吸収は、2000年にCollins博士らとの共同研究においてIa型の天然ダイヤモンドをHPHT処理すると出現することが確認されていた。しかし、その後未処理のものにも1480cm-1の吸収があるものが見られるようになったため、1480cm-1の吸収の有無がHPHT処理を判断するための指針にはならなくなった。今回はこのような特殊なIa型タイプのイエロー・ダイヤモンドの鑑別規準を模索するため、HPHT処理実験を行った。
色相の変化
 写真-4は処理前後の外観である。処理前の重量とカラー・グレードはそれぞれ0.288ct, Fancy Yellowと0.247ct, Fancy Light Yellowである。これらをアメリカのSundance社にてHPHT処理した結果、濃い色調へと変化した。リカット後の重量とカラー・グレードはそれぞれ0.285ct, Fancy Intense Yellowと0.243ct, Fancy Intense Green Yellowに変化した。

写真-4
IaダイヤモンドHPHT処理実験前後の変化の様子

図-1:
IIb型ダイヤモンドのHPHT処理前後のラマンスペクトルの変化(オレンジ:HPHT処理前、グリーン:HPHT処理後)

外観特徴
  処理後のファセット面は前述のIIbダイヤモンドと同様に曇りガラス様にざらついている。また、顕微鏡による拡大検査では一部にグラファイト化したフェザーが見られる。
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