図1:スカーボロ石
図2
:スカーボロ石の放射状集合
スカーボロ石
Al5(OH)13(CO3)・5H2O
1892年に発見された鉱物ですが、解明されていない部分が多く、現在ではハイドロタルク石と関係が深いとされています。
日本のスカーボロ石は、1996年に大分県から報告されました。三斜晶系に属する白色の鉱物で、エメリーと呼ばれる岩石中の細脈や割れ目に、粉末〜鱗片状で産します。
まれには放射状の集合をつくることがあり、径1pをこえるものも見つかっています。
このような集合体は絹糸のような美しい光沢を有し、探索時の良い目印となります。
スカーボロ石の母岩のエメリーは、マグネタイト,鉄スピネル,コランダムなどが集合した岩石で、ラテライトなどの鉄の多い風化残留土が熱変成を受けたものです。
非常に硬く、昔は研磨剤やすべり止めとして使われていました。
わずかに青味を帯びた黒く重いエメリーの上に、絹のような光沢を放つスカーボロ石の花が咲く様は、とても美しいものです。