図1:カリビブ石の集合
図2
:カリビブ石の結晶
カリビブ石
Fe3+2As3+4(O,OH)9
美しい褐黄色の鉱物です。
斜方晶系の針状結晶で、非常に強い光沢を持ちます。
放射状や球状の集合を作り、単独で産することはありません。
スコロド石やパラシンプレサイトと同様に、砒鉄鉱や硫砒鉄鉱の酸化によって生成されますが、生成にはまだ解明されていない特殊な条件が必要らしく、産出はきわめてまれです。
日本産のカリビブ石については、パラシンプレサイトからの生成が考えられていましたが、密接な共存例は少数にとどまるようです。
現在ではスコロド石の還元作用によって生成されると考えられています。
そのめずらしさから研究者や鉱物収集家の関心を引くカリビブ石ですが、ゲーサイトやラドロック石などとの区別が難しいこともあり、サンプルの入手は容易ではありません。
そのため、研究者はともかく収集家は分析用に標本をつぶしてしまうのを嫌い、未確認のまま「カリビブ石」となってしまっている標本も多いようです。