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 EDXRFにてダイヤモンド表面の組成分析を行ったところ、テーブルおよびクラウン・ファセットからは炭素以外の元素は検出されなかった。パビリオン・ファセットからは、炭素以外にSi(珪素)とAu(金)が検出された。EGLのレポートによると、パビリオン側にはSiC(モアッサナイト)が検出されたと報告している。また、GIA InsiderではSiO2の層と金、銀、アルミニウムなどの金属層の互層が確認されたと報告している。
 コーティング層の酸に対する耐久性とコーティングに用いられている素材の確認のため、王水(硝酸1:塩酸3)による耐酸性試験を行った。煮沸した王水に3分間浸漬したケースではほとんど変化は認められなかった。同じく10分間の浸漬で外観には変化は見られないものの、微分干渉顕微鏡下ではコーティング層の剥がれが明瞭に観察できた。およそ30分の浸漬で若干ピンク色が薄く感じられるようになり、宝石顕微鏡下において明瞭なコーティング層の剥がれが確認された。この後ポリマールで強く拭き取ることによってコーティング層は完全に除去された。除去後のダイヤモンドのカラーはKカラー(フェイント・ブラウン)であった(
写真-7)。

写真-7:
コーティング除去前(左)と完全に除去されたダイヤモンド(右)/aフェイスアップ、bフェイスダウン
コーティング処理されたダイヤモンドのグレーディング・レポートの発行は行っておりません。鑑別書では“コーティングによる人為的な着色処理が行われています”の開示コメントが付記されます。
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