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The stone shown in a photograph appears as a black opal at a glance, however, as a result of inspection, it turned out to be a natural matrix opal, which was darkened and then coated with plastic.The features are reported below. オパールの外観を改変する処理には種々の手法があるが、そのほとんどは地色を黒色化し、ブラック・オパールに似せるものである。なかで も砂糖液浸漬と呼ばれる方法は1950年代上古くから行われている伝統的な手法である。最近、研究用にこの砂糖液処理に類似する外観を呈するオパールを入手した。このオパール(写真−1)は、今年のツーソン・アメリカン・ジェム・ショーで全宝協の鑑別スタッフが購入したものである。処理とは明示されずにオーストラリア産オパールとして販売されていたが、天然ブラック・オパールとしては極めて安価であったため、何かあるという思いで買い求めたそうである。 鑑別するものにとっては一見したところマトリックス・オパール(母岩の砂岩や褐鉄鉱などの透き間にオパールが浸透したもの)や砂糖液浸漬処理を思わせる。 拡大してみると容易にプラスチックのコーティング層が確認でき、このため表層はスクラッチが多く、また、オパール層との境界付近には気泡が認められる(写真一2)。本体部分は褐色化した砂粒(石英)とその間隙に遊色効果を示すオパールが見られる。何らかの黒色化する処理が施されているようであるが、砂糖液処理とは印象が異なる。確認のため、切断したところ、やはり内部は白色のマトリックス・オパールで外縁部が黒色化していた(写真−3)。 |
Keeling and Townsend(1996)によると、このタイプの処理は砂糖液処理とは異なり、有機溶液を含浸させた後の加熱処理で、硫酸は用いないらしい。砂糖液処理は処理する石の間隙率が高いと処理後に酸を完全に除去するのが困難であることや、加熱した砂糖の始末が煩わしいことからこの処理法が新たに開発されたらしい。 opal-cemented sandstome と呼ばれる Andamooka産の白色のマトリックス・オパールをAnic溶液と呼ばれる有機溶液(詳細は不明)に含浸後、無酸素状態で500℃以上で加熱する。有機物が炭化し黒色化するが、脆くて加工できないため、各種のプラスチックでコーティングされたり、クォーツやガラスで保護される。 参考文献:Dyed opalised sandstone and conglomerate;The Australian Gemmologist(1996)19,226−231 |