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宝石学会(日本)講演会から ダイヤモンドにおけるHPHT処理の現状 全宝協技術研究室 北脇 裕士 |
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本報告は平成12年度宝石学会(日本)において一般講演に先立って行われたシンポジウム「ダイヤモンドの合成と処理の現状」の中で講演した内容を要約したものである。 |
≪Novaダイヤモンド≫ Iaタイプのブラウン系天然ダイヤモンドをHPHT処理によってグリーニッシュ・イエローに変化させたものである。昨年の12月に公表され、今年の2月以降インターネット販売が開始されている。 鑑別特徴として以下のポイントが挙げられる。 ◆一般鑑別 ◇目視・鮮緑黄色 ◇蛍光検査・イエロー〜グリーニッシュ・イエロー ◇拡大検査・NOVADIAMONDS EGLとシリアルNo.の刻印 ・グレイニング(黄色〜褐色) ・ハローを伴う黒色インクルージョン ・クリベージに黒色ステイン ◇偏光検査・八面体面に平行な干渉色を伴う歪複屈折◆ラボの技術 ◇FTIR・IaA<IaB ◇分光分析・N3,H4,H3,H2 ≪問題点および今後の課題≫ ◆GE POLダイヤモンド 当初、GEの技術者によってGE POLダイヤモンドは永久に看破不可能であるとされていた。しかし、最近になって看破不可能なものはGE POL全体の40〜50%程度と修正されている。今後、より精度の高い看破法の確立が急務である。 ◆Novaダイヤモンド 現在、Novaプロセスによるダイヤモンドは先に示した一般鑑別および分光分析によるH2センタの検出により看破可能である。しかし、中にはH2センタが非検出のものがあり、これらの看破法の確立が必要である。 ◆その他の色変化 HPHT処理による別の色変化についての研究を進めて行く必要がある。GEは最近、レッド、ブルー、その他のファンシー・カラーへの変化を報告している。 全宝協技術研究室では昨年来、無機材質研究所の神田久生博士らと共にHPHT処理に関する共同研究を行っているが、今後も継続してここに示した課題についてさらなる研究を行う予定である。 |